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さあ競技会に出よう!@

練習会で1日たっぷり走り込んで汗をかく。これも間違いなく「ジムカーナ」ですよ。

...ただ,練習会はあくまでも「練習会」。

最初からきっちりコースを覚えてなくっても,何本か走るうちに徐々に頭に入ったらそれでOK。ちょっとミスコースしても,危険でない限り,笑って済まされます。

PT(パイロンタッチ)したって,ペナルティで5秒加算...なんてことはまず言われません。広いコースの奥の方のパイロンなんて,かすっても誰も見てませんし。

コースの攻略だって,必死で何周も慣熟歩行しなくても,実際に何本か走りながら考えたらそれで十分。

だって,「練習会」ですから。

もちろんもっと緊張感を持って本番さながらに取り組むのもアリ(実際に競技に出てる人は,練習会でも真面目にコース攻略し,1本目から必死で走ります)。でも,気軽にスポーツ走行を楽しめるのが練習会の良いところでもあるわけで。


練習会の次のステップ」にも書きましたが,ずーっと何年でも練習会だけ走り続けていたって一向に構いません。むしろスポーツ走行に慣れるためにも,腕を磨くためにも,最初はしばらく練習会に繰り返し出てみるべきだと思います。

ただ,お稽古事に必ず「発表会」があり,スポーツの仲良しサークルでも「対外試合」や「地区の大会」なんかがあるように,ジムカーナも「競技会」に出るのと出ないのとでは取り組み方も楽しみ方も全く違ってきます。

競技会に出ず練習会だけでジムカーナを楽しんでいるのは,例えて言えば,せっかく上手に弾けるピアノを家の中だけでこっそり弾いているようなもの。あるいは野球選手がバッティングセンターにだけ通って楽しんでいるようなもの。

それはそれで気楽で楽しいかもしれないけど,きっと将来的には上達も限られてしまうし,楽しみの範囲も狭いし,何よりもったいない! ピアノも野球もジムカーナも,本当はもっともっと楽しいもののはず。


...ということで,練習会をしばらく走ってジムカーナに慣れてきたら,ぜひちゃんとした「競技会」に出てみましょう。もちろん,最初は競技ライセンスの要らない非公式競技会や公式競技会の中のライセンス不要のクラスでOK。何度か練習会を走ったことのある人なら,その延長線上で簡単に出場できます。


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練習会と競技会で「走り」そのものは変わりません。違うのは,

・きちんとタイム,順位が出され,公表される。

・その日1日で走れるのは試走,本番合わせて2-3本だけ。しっかり慣熟歩行をして短時間でコースを攻略,クルマをセッティングして結果を出さないといけない。

・上位に入れば表彰式で表彰を受けられる上,トロフィーやメダル,その他いろいろ賞品をもらえたりする。

・参加台数が多いため,排気量や駆動方式,改造度,タイヤによって細かくクラス分けがあり,ほぼイコールコンディションで戦える。

・競技会によっては「車検」があり,クルマが車両規定に違反していないかチェックを受けることになる。

・コースの随所にオフィシャル(審判員)がいて,パイロンタッチ(PT)や脱輪などのペナルティの判定も公平にきっちりしてくれる。

・参加者の数も多く,ギャラリーも来る。その上,実況アナウンスが中間タイムや順位の変動を刻々とアナウンスしてくれる。「スポーツ」としてイベントの盛り上がりが全然違う。

...こういう点でしょうか。

普段練習会で仲良く走ってるあの人とも今日はガチンコのライバル同士。クルマで走れる本数は限られてますので,慣熟歩行も熱の入り方が全く違います。そして1本1本の走行の集中度,真剣度も,何回もだらだら走れる練習会とは全く別世界。これこそモータースポーツ! これこそコンペティション!


それでは実際にイベントの選択,申し込みから当日の進行まで,具体的な例をあげながら順を追って解説してみましょう。


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イベントの選択

まず,現時点ではあなたはまだ競技ライセンスを持っていません(そういう設定になってます)。ですから「ライセンス不要」のイベントを探しましょう。

ライセンスが不要の競技会には,ショップやクラブが練習会の延長戦上でやってるミニ競技会もありますし,最近は県戦や地区のミドル戦など公式競技会でも,ライセンス不要の初心者クラスが設定されている場合が多くあります。

ただ,もしあなたが中部・関西にお住まいであれば,イチオシのお勧めは,ジムカーナ系のショップが共催で開いているシリーズ「G6シリーズ」です。

これは中部〜関西のジムカーナに縁の深いショップが6つ集まり,独自に改造規定やクラス分けを設定して,年間7〜8戦でシリーズ開催しているイベントです。3位までに入賞すると金・銀・銅色の「G6ステッカー」をもらえるのですが,入賞しないともらえないレア・アイテムなので人気が高いです(笑)。

競技会としての運営・進行もしっかりしており,クラス分けが細かくなされているため,どんなクルマでも,誰にでも,入賞の可能性があります。ライセンスは全く不要ですし,エントリー費も安い目で,初心者には非常にお勧めの競技会です。


これがレアアイテム「G6ステッカー」。
因みにこれは「銅色」です。「金色」じゃありません(笑)。


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イベントの申し込み

よーし,この競技会に出てみよう!というイベントが見つかったら,早速,申込みをしましょう。

競技会の申し込みは,だいたいイベントの3-4週間前から2週間ぐらい前まで,と期間が決まってます。公式サイトやパンフレットをよく見て,イベントの日時と申し込み期間をきっちり確認しておきましょう。人気イベントには参加台数制限があって,申し込み期限よりも早めに募集が打ち切られてしまうこともあります。参加を決心したらなるべく早めに申し込みをしてしまいましょう。

お仕事の忙しい大人の私たち,仕事の予定がなかなか決まらず,当日出られるかどうか分からない,でもできれば出たい! という場合もあると思います。

こういう時は,申し込みする際に主催者さんに直接相談してみましょう。というのも,いったん申し込みが受理されると,直前に参加をキャンセルしてもエントリー費用(参加費)は返って来ないケースがほとんどです。いつの時点までにキャンセルすればどのくらい返金されるのか,というのを確認しておきましょう。


エントリー費用,申し込み方法はイベントによって様々です。公式サイトやパンフレットをきちんと確認しましょう。

たいていは参加申込書,車両改造申告書,参加費などをセットにして現金書留(専用封筒が郵便局の窓口で売ってます)にして送るか,ショップやクラブに直接持っていくかだと思います。練習会の延長線上の競技会ならばメール申し込みや振込みなどもOKのパターンもあるでしょうね。


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参加クラスの決定

イベントによってクラス分けはいろいろです。申し込みの際には自分がどのクラスに出場することになるのかを把握しておかないといけません。

どんなクルマでもOK?」に書いたように公式戦では改造度と排気量,駆動形式によってPN1〜3,N1〜4クラス,SA1〜3クラス,SCクラス,Dクラスという12クラス程度に分けられていますが(下表参照),これと全く同じクラス分けを採用している競技会もありますし,もっと細かく分けている競技会もあります。また初心者クラスは全車一把一からげで1クラスだけ,というケースもあります。

ジムカーナ公式戦のクラス区分(例)

排気量駆動方式タイヤ主力車種
PN11600cc以下FF,FRスポーツラジアル*デミオ,フィット,スイスポ
PN21601cc以上FF,FRスポーツラジアル*フェアレディZ,シビック(FD)
PN3制限なし4WD,MRスポーツラジアル*ランエボX,インプレッサ
N11000cc未満制限なしSタイヤヴィッツ(SCP10)
N21000cc以上FFSタイヤインテグラ(DC2)
N31000cc以上FRSタイヤRX-7,エキシージ,NSX,S2000
N41000cc以上4WDSタイヤランエボIX〜X
SA11600cc以下2WDSタイヤCR-X,シビック(EK9),RX-8
SA21601cc以上2WDSタイヤRX-7,インテグラ(DC2),NSX
SA3制限なし4WDSタイヤランエボIX〜X

※「タイヤに1周する縦溝があること」という規定でもっていわゆるSタイヤを除外してます。したがってネオバやスタースペック,RE11などの普通のスポーツラジアルを使うクラスになっています(2012年現在)。


先にあげた「G6シリーズ」の場合は,タイヤ(通常のスポーツラジアルかSタイヤか)でまず分けて,その後,駆動方式と排気量でさらにクラスが分かれるようになっています。例えばスポーツラジアルタイヤ(TOYO R1R)を履いたN車両規定内のデミオ(DE5FS)であれば,FF車で排気量が1000cc以上1500cc以下ですから「FF1クラス」ということになります。

同じクルマでもSタイヤを履くか普通のスポーツラジアルを履くかで出場クラスは変わってきますし,同一クラス内のライバルの車種によってかなり競技の順位は変わってくることがあります。また初心者クラスはたいていSタイヤはNGになってます。このあたりは自分と自分のクルマのポテンシャル,財力などをよく考えて出場クラスを決めましょう。


では,次のページでもって実例をあげながら参加申込書や車両改造申告書の書き方を説明してみましょう。




今回のまとめ

・確かに,練習会だけに参加していてもジムカーナは十分堪能できる。
・でも競技会(=他のスポーツでいうと「試合」,習い事でいうと「発表会」)に出ることで初めてジムカーナは本格的なモータースポーツになる。
・練習会と競技会との大きな違いは,走りの集中度とイベントとしての盛り上がり。
・競技会では基本的に1日にコースを2-3本しか走れない。その分,慣熟歩行でしっかり愛車のセッティングとコース攻略を考えないといけない。
・アナウンサーの実況がイベントを大きく盛り上げてくれる。また成績優秀者は表彰式でみんなから祝福を受けられる。またトロフィーや盾,メダルなどいろいろもらえる。なんと賞金が出るイベントもある(少額だけど)。
・自分の愛車がどのようなクラスに属するのかよく考えながら,自分に適したイベントを探そう。まだライセンスを持ってない人には「G6シリーズ」がお勧め。
・イベントには定員があるので,参加イベントを決めたらなるべく早めに申込みをしてしまおう。



Updated on Jan 8, 2012.

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