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ジムカーナとは

「よし,モータースポーツやろう!」

クルマは大好きだけどモータースポーツについてはほとんど何も知らない,メカに関してもほとんど素人に近いおとーさんが,あるいはおねーさんが,ある日そう思い立ったとします。

しかし,若かりし独身時代ならいざ知らず,仕事も家庭も分別もあるはずの,ええ歳こいた大人がモータースポーツなんかやろうっていうと,いろいろと制約がありますよね。

例えば...

趣味のためにわざわざ別にクルマを用意するなんてできへんし,普段自分が乗ってる愛車で参加が前提。愛車,壊れへん? 壊れたら困るんやけど...(汗)

嫁さん,ダンナさんや子供,両親もいますから,大ケガしたり死んだりするリスクがあるようなキケンな競技は絶対NG。

そもそもお小遣いorヘソクリの範囲でしか活動できへんし,お金のかかる競技もNG。っつーか,普段のガソリン代だけでもかなり厳しいんやけど(汗)。

平日は仕事で忙しいし,休日も家族サービスで駆り出されることがあるので,準備や練習にかけられる時間なんてほとんどねえよ!

っつーか,そもそも運転の腕も大したことないし,競技なんて出たってビリで恥ずかしい思いするだけじゃねーのかぁ?(笑)


こーんな制約だらけの,極めて一般ピープルな大人の人でも,モータースポーツなんかに参加できるのか? ...答は「ジムカーナだったらOK!」です。

現に,これを書いてる私"不惑おとーさん"自身も,まさにこういう制約の中で,たっぷりモータースポーツを,ジムカーナを楽しんでいます。


では,「ジムカーナ」とはそもそも何か? どんなモータースポーツか?

無理やり一言で説明すれば,

「広ーい駐車場やミニサーキットなどの舗装路面上に,1-2分程度で走りきれる程度の短い,でも複雑でテクニカルなコースを設定し,そこを1台ずつ全開で走ってタイムを競う競技」

です。

知らない人にとっては「何じゃ,そら」っていうカンジですよね。

百聞は一見に如かず。
下の動画を見て下さい。どちらも不惑おとーさん自身の走行です。


これは「名阪スポーツランドCコース」での車載動画です。走っているのは近畿地区ミドル戦,クルマはMAZDAのデミオです。そのへんのお買物車でもこんな激しい走りができるんです(これは特にテクニカルなコース設定ですが)。このようにレーシングカート用のミニサーキットで行われるのがコースジムカーナです。

さてお次は「姫路セントラルパーク駐車場」での走行です。広い駐車場で行われるパイロンジムカーナの典型例です。こちらはインテグラ・タイプRでの走行ですね。



↑これ,決してお手本の走行じゃありませんよ。むしろダメダメのヘタッピ走行です。あくまでジムカーナの雰囲気を分かってもらうためのサンプルです(汗)。

でもまあとにかく「ジムカーナ」というのはこんな風に,みんなが見守る中,参加者が順番に1台ずつ走って,そのタイムでもって順位を決める競技なわけです。


※ 因みに「ジムカーナ(gymkhana)」という言葉は,19世紀の大英帝国支配下のインド,英国軍の駐屯地にて,軍人の家族などが集まって行われていた運動会的なイベントに由来しています。「gym」は英語の運動・体操,「khana」はインド語で「〜の家」という意味の語です。

このイベントでは,ポニーに乗って杭の間をすり抜けるような女子供でも参加できる簡単な障害物競争がよく行われていたようで,ここから乗馬の障害物競技の「ジムカーナ」が生まれ,それが後に自動車の競技になりました(→詳しくはジムカーナは世界を巡る 〜ジムカーナの語源をめぐる旅〜を参照にして下さい)。


もちろん,クルマの排気量や改造の度合い,駆動方式によってクラスが分かれているので,別にスポーツカーに乗ってなくっても,上の動画のデミオのようにそこらのお買い物グルマでもちゃんと「競技」できます。むしろ最近はこういったコンパクトカーで経済的に競技をやるのがオシャレです(笑)。

また,走るのはその日1日でたった2回か3回だけです。たいていは午前・午後の各1回。1-2分のコースを2回か3回走るだけですから,わずか数分の全力走行のためにまるまる1日を費やすわけです。この集中度合いは,F1予選アタック並み。

しかもこの複雑なコースは当日の朝,発表されます。コースが発表されてから実際に1本目の走行が始まるまでのわずかな時間にこのコースをちゃんと覚えた上,タイムを出すための攻略を考えないといけません。非常に頭を使います。
...まあ,初級イベントにはミスコース(コースを間違えちゃって失格)がつきものですけどね。



でも,上の動画を見て「何か,地味だなぁ」と感じたあなた。
あなたは正しいです(笑)。

確かに各地区のジムカーナには,F1やGTカーのレースのような派手な雰囲気はありません。

観客も身内ばっかりですし,「草野球」のイメージですね(笑)。実際,いろいろなモータースポーツの中でも競技人口が一番多い入門カテゴリーなので,まさに「草モータースポーツ競技」と言えるでしょうね。

それでも,その頂点である全日本戦では(一応)キャンギャルも出ますし,GTカー並みの派手なクルマも出ます。Dクラスという改造無制限の"何でもアリ"クラスではフォーミュラカーも走ります。その走りは上の動画のおとーさんの素人走行なんかとは全然別次元の大迫力です。

一度このサイトの走行動画を見てみて下さい。全日本ジムカーナのトップドラ,小林キュウテンさんの豪快な走りです(→小林キュウテン公式HP)。



それでも,どうせやるならドリフトとかラリーとかもっと派手なやつをやりたいな,という人もいるでしょう。そんなあなたに,なぜ「大人のモータースポーツ入門にはジムカーナが一番!」なのか,次のページで,他のモータースポーツと比較しながら示してみましょう。




今回のまとめ

・仕事も家庭も分別もある大人のあなたは,日々「制約」の中で生きてます。
・そんな制約だらけの日常の中でも楽しめるモータースポーツが「ジムカーナ」。
・ジムカーナは,走行時間は短いけど非常にテクニカルなタイムトライアル競技。
・クラス別走行なので,スポーツカーでなくても,今のあなたの愛車で楽しむことができます。
・派手なイメージはありませんが,実は最も競技人口の多い「草モータースポーツ競技」。モータースポーツ入門にはピッタリです。



Updated on Jan 7, 2012.

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