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ストラットタワーバー考


( ̄□ ̄;)ハッ!

気が着いたらもう年末ですね。
びっくりです。

相変わらずお仕事が容赦なくたたみかけて来るため,週のうち日曜日以外でお昼を食べる時間あるのは1-2回ってカンジです。因みにおとーさんは朝ご飯を食べない人ですので(いけませんね),週のうち半分以上が1日1食,しかも夜遅くなってからの暴飲暴食というこの不健康さ。おかげで体重が3kgほど減りましたが,喜んでちゃいけませんね。何とかしないと(汗)。


そういう忙しい生活の合間をぬって,デミ助とはちょくちょく遊んでます。

もちろんご子息のお受験を控えて堂々と走りに行くなんてことは絶対できませんから,チマチマとパーツを替えたり,仕事の合間にこっそり某南コースに走りに行ったり,ぐらいですがね。


...そんな中で最近,貴重な体験をしましたので,ここに書いておこうと思います。
表題の通り,ストラットタワーバーについてです。

みなさんのクルマにはストラットタワーバーは着いてますでしょうか?

スポーツカーの範疇に入るクルマでしたら,たいてい純正でついてると思います。不惑インテ号(DC2インテグラ)にも最初からついてました(下の写真)。



デミオのようなコンパクトカーでも,ワゴン車やミニバンでも,各パーツメーカーからほとんどの車種向けにアフターパーツとして発売されてますし,お値段も高くてせいぜい2-3万円ぐらい,装着も容易にDIYできますから,結構みなさん装着されてるんじゃないでしょうか。

たしか80年代,初代インテグラで峠を走ってた頃にはもう,ストラットタワーバーってお手軽チューンパーツとして流行ってました。ホンダツインカムに電話かけて問い合わせたけどキャブ仕様のZCエンジンにはタワーバーは着けられないっていうお返事で凹んだのを覚えてます。


...でもね。

ストラットタワーバーの効果って実際にはどうなんでしょう?

有名パーツメーカーのサイトなんかを見るといかにも「走りに効きます!」ってカンジだけど,でもよく考えるとクルマのボディってそんなにグニャグニャでしょうか? ユーザーのレビューなんて見ると,「着けてちょっと街中を走っただけで効果を体感!」とかって書いておられますけど,ちょっと街中を走ったぐらいでタワーバーの恩恵を実感するぐらいボディがグニャグニャだったら,とても峠なんて怖くて走れないと思うんですけどね...


路面からの入力や,車体からの入力を吸収するのは主にタイヤとサスです。

これがガチガチのジムカーナ用のサスにこれまたガチガチのSタイヤを履いてサーキットをガンガン走るというなら,大きな入力があった時に,先にボディの方が負けてたわんでしまうということもあるでしょう。

でもストリート用のサスにせいぜいスポーツラジアル程度のタイヤを履いて峠を流す程度でしたら,ボディの方が先に負けてグニャグニャ歪んでしまうとは考えにくくないですか?

これが私の長年の疑問でした。


じゃ,実際にお前がタワーバーを着けたり外したりして走ってみりゃいいじゃん,ってことですよね...そうです。そうなんです。いつかやってみようと思ってたんですが,なかなか実際にやろうと思うと面倒くさくって。


デミ助に定番Autoexeのフロントタワーバーを装着の図


でもとうとう先日某南コースを走った際に,実際にやってみたんですよ,ええ。

以下がその結果ですが,まずタイム表です。

タワーバー(フロント)を外した状態,Autoexe製のタワーバーを装着した状態,RIGID製のタワーバー(マスターシリンダーストッパー付き)を装着した状態で,それぞれ5本ずつほぼ同条件でラップタイムを計測しています。
 
タワーバー無Autoexe製RIGID製
66.16465.52565.722
65.88865.80066.245
65.04265.02065.236
66.72865.15665.339
65.22766.52365.182
Average
65.810
Average
65.625
Average
65.545


平均値を見ると微妙にタワーバーなし<Autoexe製<RIGID製と速くなってますが,ドライバーがヘタクソのためタイムのバラツキが大きく,統計処理をしますと結局誤差範囲内ということになってしまいます(Kruscal-WallisのH検定)。

しかし,各5本ずつとデータ量が少ないので何とも言えない面はありますが,タイムのバラツキ(標準偏差)を計算しますとタワーバーを装着してる方が小さくなってます。

これはなぜかと言いますと...


正直なところ,タワーバーの有無によって,メーカーのサイトやユーザーレビューに書いてあるほど大きな差異は,おとーさんには感じられませんでした。これはもちろんおとーさんが超・鈍感なため「違いが分からない」だけかもしれません(汗)。

特に,舵角の小さいコーナーやリアを流して処理するようなコーナーでは,コーナーの進入からクリップ,脱出まで,全くといっていいほど違いが分かりませんでした。

しかしながら,舵角の大きいコーナー,特にぐるーっと回り込んで行くようなコーナーの奥,クリップから脱出にかけて,タワーバーなしの条件だとフロントがぐずぐずっとアウトに逃げていくような動きがあり,コーナーの奥でステアを切り増す必要がありました。これはたぶん誰にでもハッキリ分かる違いです。

おそらくサスがほぼストロークし切ってアウト側のタイヤも十分つぶれた状態になって,これ以上ショックを吸収し切れないところにさらに荷重がかかって,タワーバーがない状態だとボディに若干たわみが生じるんでしょうか。

いずれにせよこの場面では既にブレーキングを終えてスロットルを開けていく所ですから,アンダーが出てステアを修正しながらだと思い切って踏めません。このあたりがタイムのバラツキを大きくした要素なのではないかと思います。


ついでに言いますと,RIGIDさんのタワーバーに付いてるブレーキマスターシリンダーストッパー,こいつはなかなかの優れものです。これで2秒タイムが縮む,とかいうものではありませんが,ブレーキペダルを3-4割踏んだところから奥でペダルにがっちりした反力が生じるため,奥の方でのペダル操作がかなりやりやすくなります。ペダルの踏み始めのタッチはむしろ,パッドの材質やリアブレーキシューのクリアランスなどに依存すると思いますが。

RIGIDさんのタワーバーはお値段も安い目ですし(税込み\18900),非常にお勧めですね。


デミ助にジムカーナ界の定番RIGIDのフロントタワーバーを装着の図
しっかりマスターシリンダーストッパーが付いてます



ということで,ストラットタワーバーは,少なくとも競技をやる人には十分装着の意味はあると思います。ストリートや峠を走る人には...あまりタワーバーの恩恵を感じるような走りはして欲しくないですね(笑)。サスやタイヤの限界を超えてクルマのボディをたわませたかったら...ジムカーナやりましょう!


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