home > diary menu > 2005年 > 12月31日

鉄の斧


災難は忘れたころにやってくる...なんて言いますが...
逆に,泣き面に蜂...なんて諺もありますな。


...ま,要するにまた追突事故に遭ったということなんですわ。


8月にやられたところでっせ。半年のうちに2回も追突されるとは (;´д⊂)


まあ今回は後のバンパーの左端が凹んだだけで,ボディーはほぼ無傷だったため,まだ前回よりは軽症だったわけですが...


ウチの嫁さんに言わせると,「追突ばっかりされるヤツっちゅうのは自分の運転が下手なんや,業界ではそれが常識や,ってタクシーの運ちゃんが言うてたで!」ってことらしい。


・・・・・・


その朝は何の予感も夢のお告げもなく,普通に通勤の途に就きました。


年末でクルマは混んでて,府道から1号線に出る交差点もだいぶクルマが連なってます。
まあ焦っても仕方ないので,おとーさんはいつものようにシェーバーでヒゲをジョリジョリしながら,のんびり信号を待ってました。


しばらくして信号が変わり,みんなゾロゾロ右に左に曲がって行きます。


おとーさんの並んでた車線は右折も左折もOKの道路真ん中よりの車線。


左折して1号線に入ったところが詰まっていたため,おとーさん,いったん不惑インテ号を若干右へ振って,そこからステアをグルグルっと切って左折し,追い越し車線の方に並んで停まります。


と,その時,信号が変わりそうになって焦った右折のミニバンが後から,停まった不惑インテ号の左のリアにガン!とぶつかって来たわけです。


ぶつかったオバちゃん曰く,いったん右に動いたので右に行くもんだと思った,とな。
いや,そりゃまあ不審な動きをしたおとーさんも悪かったけど,こっちはすでに停止してたんだぜぇ f(^-^;)


「ガン!」という衝撃を感じた時,すぐに脳裏に8月のあの悪夢がよぎりました。
ミドル戦には出損ね,修理のために1ヶ月クルマに乗ることができず,特にモメたわけではないけど保険屋との交渉にも無駄な時間を費やした,あの1ヶ月...あのリアがぐっちゃり壊れた映像をやっと忘れたところだったのに。


うわああああ!またやりやがったなああああ!
ヽ(`Д´)ノ



思わず叫びながら,ぶつかってきたクルマを睨みつけましたよ。


すぐさま路肩にクルマを寄せ,傷を確認。


幸い,後のバンパーの左端がべこっと凹んだだけで,ボディーはほぼ無傷。
8月の時と比べるとだいぶ軽傷です。


よ,良かったあああああ! \(^-^)/


...って,喜んでどうするよ f(^-^;)


ぶつかった相手のオバさんもすぐに降りてきて「すいません,すいません」と謝りまくり。


おとーさん:いや,すいませんはいいけどキミ,保険には入ってるんだろうねえ?

オバさん:入ってます,入ってます,これです(任意保険の保険証を出してくる)。


無保険車じゃなかった。良かったあああああ!
\(^-^)/



...だから,喜んでる場合じゃないでしょ f(^-^;)


近くで別の事故の処理をしていたお巡りさんがすぐに来てくれたので,その後の処理はすぐに終わり,職場にもそれほど遅刻せずに着きました。何せお巡りさんに言われる前から車検証と自賠責,免許証をちゃんと用意して待ってるので,お巡りさんに「おお〜,手際がいいね〜」とほめられましたが...何気に事故慣れしてる自分が悲しい (;´д⊂) ...んなことでほめられたくねえよ。


・・・・・・


そして問題なのはMy嫁さんの反応。


前の時も「アンタの運転が悪いに違いない!」とか「クルマに何かの霊が憑いてるのよ!だから中古は嫌いなのよ!」とかさんざん責められましたから。


だから嫁さんに電話するのはイヤだったんですが,保険屋さんから連絡が入ったりするかもしれんので,黙ってるわけにも行きません。お巡りさんが書類書いてる間に携帯で電話します。


おとーさん:あのさー,俺やねんけど...

My嫁さん:何やこんな時間に電話してきて。また事故ったんかいな。

おとーさん:いや,実はその通りやねん...また追突されてん。

My嫁さん:何やってえええええ!そやからそのクルマには何かが憑いとるて言うたやろ!

おとーさん:いや,今度もこっちが悪いんやなくて...

My嫁さん:んなモン,アンタかそのボロ車が悪いに決まってるやんか!

おとーさん:何でやねん...

My嫁さん:何でやねんもクソもあるかいな。もうそのクルマは絶対に売り払いや!

おとーさん:俺の運転が悪いんやったら,車を換えても一緒やんか。

My嫁さん:アンタの運転とそのクルマと両方悪いんやから,どっちか換えんとアカンやろが! 絶対売り払うんやで,そのアホ車!


...一方的です(泣)。会話になりません。

My嫁さんはもともと中古車嫌いで,いくらオーバーホールされたりボディ補強されてるとは言え10万km走行してる中古車に新車並みのお金を払うことには最初から反対してましたから,ここぞとばかり不惑インテ号を責め立てます。いたわりの言葉やおとーさんの身体を心配する言葉はついぞ聞かれません。


仕方ないので,とりあえず伝えることだけ伝えて電話を切ります。


しばらくすると嫁からメールが。


さっき訊き忘れたけど,身体の方はどうもないんやろうなあ?


...おお,ちょっとはおとーさんの身体のことも心配してくれるのか?


まだ子供も小さいねんから,子供が教育費かからんようになるまでは生きといてもらわんと困るんやで!分かってるのんか!


...なんじゃ,結局,金の心配かよ (;´д⊂)


そして嫁のメールは続きます。


もう絶対そんな何か憑いてるゲンの悪いクルマは売りや!ロードスターか何か新車で買うてやるから。


な,何?ロードスター?新車?


思わずメールを打ち返します。


おとーさん:「ロードスターがOKなんやったら,S2000でもOK? f(^-^;)

嫁さん:「インテグラ売るんやったらもう何でもええ。(>_<;)


キタ-----------! 金の斧,銀の斧! \(^-^)/

ジムカの神様がABコース中央の池の中からぬぼーっと現れて「オマエが要るのはこのクルマかぇ〜?」って言ってるようなナイスな選択肢じゃあーりませんか。さあ,銀のロードスターにするか,金のS2000にするか(そんな色ないわ)。


しかしおとーさんの目の前にはリアバンパーの凹んだインテグラが...
バンパーだけではなく,フェンダーとかドアの下の方とか,練習中にパイロンやら何やらにしょっちゅうぶつけるので,ハッキリ言って傷だらけ。ボロボロのmy鉄の斧。売っちゃう?手放しちゃう?もっとピカピカの斧に買い換えちゃう?


...でもその惨めな姿を見ていて,ふと気がつきました。


おとーさん,もうあと何日かで人生最大の厄年が終わります。でもこの1年,クルマは散々やったけど,自分自身は何回かカゼひいたぐらいでピンピンしてる。数年前と比べて心身ともに格段に元気。本来なら成人病やらウツ病やらいろいろ禍が起こってくる年齢なわけだけど,むしろだんだん健康になってます。


これって,このクルマが身代わりになってくれてたんと違うやろか...
おとーさん自身の身に起こるべき災厄をこいつが身体をはって防いでくれてたんやないのか...
前回の追突事故の時も,クルマが結構壊れたわりにおとーさん本人はムチウチにもならずピンピンしとったもんなあ...


そう思うと,ボロボロの不惑インテ号から後光が射しているように見えてきます。


こんな,いじらしい,かわいいクルマはありません。
何だか,そこらじゅうなめ回してやりたいような愛おしさを感じます。
このクルマを売ることなんて絶対にできない。ぶっちゃけあり得ない。


一瞬とはいえ迷いが生じた己が心を恥じながら,嫁さんに決意のメールを打ち返します。


インテは絶対に売らん。売るなら,俺ごと売れ。



嫁からの返信はなし。



そしてその日の晩,家に帰ると,知らないオジさんがウチの家族とゴハンを食べてました。
俺達,速攻で売られたわけね...


...いや,まあ,んなわけないけどね ヽ(´ー`)ノ





おとーさん,もちろん2006年もこの不惑インテ号に乗り続けます。毎日通勤で使うかどうかはちょっと迷ってるけどね f(^-^;) 身代わりがどうとか言う以前に,1年半のいろいろな思い出と努力がいっぱい乗ってる大事なクルマだから,いくらボロでも買い替えなんてあり得ない。嫁さんは今日もしつこく売れ売れ言ってるけど,絶対に売らない。この不惑インテ号に乗って,2006年こそ表彰台に上がるのだ!そして10年後には全日本に出るのだ!


ということで,みなさん,1年間応援ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いします。
みなさんもどうぞ良いお年を迎えて下さい。それでは〜


m(_~_)m



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