home > diary menu > 2005年 > 12月25日

ジムカと音楽の関係


寒いっすね。

前にも書きましたが,おとーさん,数年前にはもっともっと寒い異国にいたんですが。
そこはちょうど北海道内陸部と同じぐらいの気候で,冬にはマイナス10℃とか20℃とかが当たり前の世界。たまに気温がプラスに転じると「お〜,何か今日は妙に蒸し暑いべ。雪は重くなるし,今日の雪かきはTシャツ1枚だべ。」って感じ。


それが,日本に,大阪に帰ってきて3年。今じゃすっかり寒がりの大阪人に逆戻りですよ。


気温が5℃を切ったら,もう,さっぶぅ〜,めっちゃさっぶぅ〜,って感じ。
氷点下なんてもうぶるぶるで,ほっカイロくで〜って叫びたくなる。
打たれ弱くなったモンです(笑)。


そういや昨日の日曜日はそんな寒さの中,クリスマスだったわけで。
みなさん,それぞれ楽しい時を過ごされたと思うんですが。


不惑おとーさん一家はどんなクリスマスを過ごしたかと言うとですな,何とお坊ちゃまのピアノの発表会を聴きに行ってたんでございますことよ。おほほほ。


おとーさん的には,男のガキがピアノ習ってるなんてサルが一輪車乗ってるみたいなカンジで,サルはサルらしく野山を駆け巡らせとけよ,と思うわけですが,張本人が特に嫌がらずにやってるので,まあいいか,ってカンジ f(^-^;)


おとーさん自身もガキのころに習わされてた時期があるけど,嫌で嫌で仕方なかったし,まあ見事なぐらい何の役にも立たんかったもんね。中学生になってビートルズやクイーンを聴き始め自分で音楽を志すようになって,もう一度譜面の読み方から全部自分で勉強し直さなきゃならなかったぐらいだもんね。


なもんで,ハッキリ言って「発表会」なんてあんまり乗り気じゃなかったわけ。


でもさ,嫁さんに命令されてホールの真ん中の客席でビデオカメラ構えて息子の出番を待ってると,何かだんだんドキドキしてきて。をいをい何でオイラこんな緊張してるの?みたいな。そのうち足まで何だかガクガクしてきて。自分が出るわけでもないのにね。


真っ暗な客席でバカみたいにビデオカメラ抱えたまま一人でドキドキしてたら,何だかこのドキドキって何かに似てるなあと思って。いろいろ考えてると,2つ思い出したことが。


1つは,自分自身が学生時代ライブハウスとかに出てた頃,暗転したステージの上で1曲目のスタートを待ってる時のドキドキ。


もう1つは,言うまでもなく,ジムカのスタートラインに並んでスタートフラッグが翻るのを待っている時のドキドキ。


おとーさん,もともとはベーシストだったんだけど,途中からキーボードに転向して,ライブに出てたのは主にキーボーディストとして。で,その頃参加してたバンドというのがプログレ系のハードロックやってたもんで,だいたいステージの始まりがおとーさんのピアノソロからだったの。


しーんと静まりかえったハコの客席,スモークが流れるステージの上からおとーさんが弾くピアノの音色がしばし静かに響き渡り,一瞬の静寂の後にバンド全体の演奏がドカーンと始まる...


もー,緊張する緊張する f(^-^;)


心臓が口から出そうというのはまさにこういうことなんだなあと実感しましたよ。何回ステージに立っても,ライブの始まりのピアノソロというのはすげえ緊張しました。だって,この出だしでちょっとでもミスすると1曲目の演奏のみならずライブ全体の流れに微妙に影響するんですよ。


もちろん1曲の中でも山場とか聞かせどころとか難所とかいろいろあるわけだけど,大事なのは曲全体の「流れ」とか「リズム」であって,1ヶ所1ヵ所だけうまく行ってもダメで,常に次の部分へのつながり,全体の中でのその部分の位置みたいなものを意識して演奏してないとダメなんすよ。それはライブ全体の中でもそうで,特定の1曲だけに集中しちゃうとダメ,ライブ全体の流れ・全体のリズム・全体のメリハリみたいなモノを感じながら進めて行かないとダメ。その場その場で必死になってしまうと流れを見失ってしまうので,常に全体を見通す冷静さをどこかに保っておかないといけないんすよ。


これってまさにジムカの走行にも言えるんじゃないかと。


ドキドキしながら走り出して,一定の時間内に山場とか見せ所とか難所とかがあって。1つ1つのコーナーに必死になってしまうんではなく,常に全体の流れとかリズムを意識して,コース全体の中のそのコーナーの攻め方・ラインを考えて行かないとうまく行かない。一人っきりでコースを独占して走るジムカは,さながらピアノか何かの楽器のソロ演奏と同じカンジですな。


音楽の演奏においてノリが大事なのは言うまでもなく。1つ1つの音をバラして考えるのではなく,常に前後の流れを意識して,流れる時間の中で音を生かしていく。ジムカの運転でも,シフトとかサイドとかの操作を1つ1つバラして行うのではなく,常に前後の流れを意識して,流れる時間の中でクルマの動きを生かしていく。うーん。同じやあ。


ってな,全然関係ないことを考えてるうちに我が家のお坊ちゃまの番が回ってきます。


名前が呼ばれ,舞台の袖から見慣れた顔のサルがトコトコ出てきて,みんなの前でピョコッと頭を下げます。ダメです。すごい緊張してる様子(笑)。目が虚ろですがな。大丈夫かいな。


ピアノの前に座るやいつも家で練習してた曲を弾き始めます。


ちゃんちゃか,ちゃんちゃか♪


何だかところどころ怪しい所はありますが,とりあえず途中で止まらず最後まで弾き終わりました。家で練習してた時よりもマシかな。オヤジと同じでどちらかというと本番に強いタイプらしい(笑)。


弾き終わってしまうと緊張もとれたようで,ニコニコしながらまた頭を下げて,みなさんの拍手の中,退場。見ているこちらもホッとします。これも何だか走り終わった後のあの開放感のようなカンジで。


......


家に帰って,家族でケーキを食べて。我家のクリスマスはこんなカンジで平和に過ぎて行きました。


限られた時間の中で楽器やクルマといった道具を使って様々な技を披露する。
かたや技そのものが目的であり,かたや技によってタイムを削るのが目的。
そういう違いはあるけど,いかに全体の流れ,リズム,ノリを見失わず時間を前に転がして行くか,それは全く同じ。


...何だか自分ももう一度ピアノの前に座ってみたくなった,そんなクリスマスの夜でした。


まあ,もう何年も全く鍵盤弾いてないんで,全然何も弾けないんだけどね。わはは(汗)。


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