home > diary menu > 2012年 > 8月10日

旅立ち


連日,超暑いですね。

気がついたらもうお盆前。
前回の近畿地区戦第5戦@鈴鹿南からはもう3週間近く経ってしまいました。


これまでどんなに書くのが辛くってもとりあえず参戦レポートは必ず書いてたんですが,今回はみんカラに暫定版をアップしたところで気持ちが完全に切れてしまいました。

どこをどうやって走ったか,いつもは結構細かく覚えている方なんですが,今回はむしろ「忘れたい」という気持ちがはたらいているのか,もう当日のことはうろ覚えになってきてます。いや,無理に思い出せば思い出せるのかもしれないけど,もういいや,カンベンして下さいよ。

ということで...このサイトをオープンして以来初めてですが,参戦レポートをパスさせていただきます。みんカラの暫定版をそのまま公式の参戦レポートということにさせていただきますのでどうかご了承下さいませ。


オリンピックでも毎日熱い戦いが展開されてますね。

現時点では金メダルの数はそんなに多くないようですが,金銀銅を合わせた日本全体のメダル数は前回の北京オリンピックを大きく上回っているそうです。嬉しいですね。


ただ,おとーさんの目が向くのは,晴れやかな表彰式よりも,期待されながらメダルに届かなかった,あるいは全く良いことを見せられず初戦敗退してしまった選手たち。

みんな素晴らしい能力を持ち,毎日血のにじむような努力をして国内での戦いを勝ち抜き,大きな希望と誇りを胸に抱いてロンドンの地に降り立ったはず。ところが,勝てばヒーロー,ヒロインですが,負ければ手の平を返したようにあっさりした扱い。彼らはどんな思いで日本への帰途に就くのでしょう。


勝ちたい気持ちが強い方が勝つ。

そんな言葉も聞かれます。ただ,これは十分な練習や準備を積み重ねて来てることが前提。

選手はみんな並外れて強い「勝ちたい」という気持ちを持っている。それでも勝負だから負ける時は負ける。負けた人はいったいどうやってその事実を受け入れるんでしょう。「オリンピックに出られただけでも良かった」「楽しめた」なんて口では言ってても,内心はそりゃもうはらわた煮えくり返って「辛い」とか「悲しい」とか単純に言葉で表現できないような気持ちでしょうね。


おとーさんのような草レーサーがオリンピック選手を引き合いに出すなんて失礼千万ですが,残念ながら負けてしまった選手たちを見ていると,その悔しい気持ちが身に染みて分かる気がします。そして同時に,この数か月ずっと胸の中でモヤモヤしていたものの正体が見えてきた感じがします。

いくら「勝ちたい」と強く思っていても,そのための準備や練習がきちんとできていないのに勝てるはずがない。周囲のレベルがどんどん高くなっている中で「ぶっつけ本番でも勝てるかも」なんて思ってることがそもそも不遜,見当違い。勝ちたけりゃしっかり練習しな,ってこと。

でも仕事の都合や家庭の事情で練習はできない,練習したくってもできない...となれば,これはよっぽど本人の元々の能力が高いか,運が良くない限りは勝てないですよ。そしておとーさんの能力なんてたかが知れてる。となれば,いくら「勝ちたい」という気持ちが強くっても勝てないのが当然。


そう,勝てないのが当然。

勝つために必要な練習や準備が全然できてない。そして飛び抜けた能力があるわけでもない。

それなのにこれまでは心のどこかで「ひょっとしたら勝てるかも」と思ってるところがあった。それがそもそもの間違い。勝てませんよ。勝てないのが当然。いじけてるわけでもなく,ひがんでるわけでもなく,自然な事実として,それが分かってきた気がします。


じゃあ,どうするの?

そんな,走る前から勝てないことが分かってるところで走るの? 地べたに座り込んで表彰台のライバルに拍手を送るために,高いエントリー費払って,仕事や時間を必死でやりくりして,嫁さんにゴマすって,走りに行くの?

そこはまだ答えが見えません。


とりあえず8月の地区戦はパスすることにしました。このまま惰性で走っていても自分にとって得るものはありません。

このお盆休み,家族で旅行に行きます。行き先は...走り屋の聖地巡礼です。名前しか知らなかった峠を走りながら,今後のことをいろいろ考えてこようと思います。



恋人よ,オッサンは旅立つ。
東へと向かう高速で。
ひなびた峠で,君への贈り物,探す,探すつもりだ。



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