home > diary menu > 2009年 > 9月2日

デビュー戦


おとーさんのジムカーナデビュー戦は,今を去ることもう16年前,1993年の4月のある土曜日,場所は名阪スポーツランドABコースでした。

当時は日曜だけでなく土曜日にも「気分はジムカーナ」シリーズというシリーズ戦がありました(主催はTSCOさん)。クローズド格式でしたが,フレッシュマンやジュニア戦の上位連中がこぞって出場しており,何気にレベルは高かったですね。


その前年秋にSW(トヨタMR2)を頭金なしの根性ローンで購入したおとーさん,冬の間に足回りとリアのブレーキパッドと前後のホイール・Sタイヤだけ手に入れて,デフもマウントもノーマルの状態でこのデビュー戦に臨みました(当時は独身でしたから,ほぼ全収入をクルマにつぎ込んでましたね)。

クラスはAVクラス。メインの車種はSWで,その中に初期のランエボやGT-R(もちR32),FDなど一癖も二癖もあるハイパワーマシンがちらほら混じるという,当時のハイエンドクラスでした。


当日のコースは名阪ABコースならではのぐにゃぐにゃした細かいコース。ただ,360度ターンとか,絶対にサイドを引かないといけない個所がなかったのが,当時まだサイドターンのできなかったおとーさんには幸いでした。

結果はAVクラス25台ぐらいの中で10位に入り,デビュー戦にしてシリーズポイントを「1ポイント」だけもらいました。まわりはいかにも「競技車」っていうカンジの車両ばっかりでしたから,その中でデビュー戦でポイントを取れたっていうことで「俺って結構才能あるかも」とかすっかり「勘違い」してしまい(笑),その後どっぷりジムカーナにはまっていった,というわけです。


懐かしいです。
その日のことは今でもよく覚えてます。

とても天気のいい日で,コース上に陽炎が立ってました。
2本目は路面温度が上がってリアがズルズルしてましたが,でもそれが気持ち良くって,結構踏んで行けたんですね。

最終結果が出て,仲間内でただ一人ポイント圏内に残っていた時には,ホントに嬉しかった。


・・・・・・

さて今回,「ジムカーナ・オフ・2009」に何と7人もの方が応じて下さいました。うち6人の方がRTクラスで走ることになります(RTクラス初のスーパーラップ成立?)。

7人の中にはジムカーナ練習会の経験がある方もおられますし,他のカテゴリーの経験のある方もおられますが,ジムカーナ「競技会」はみなほとんどデビュー戦です。

モータースポーツは「スポーツ」ですから,勝ちもあれば負けもあります。
今回表彰台で笑う方もいれば,表彰台を見上げて拍手を送る側になる方もおられるでしょう。

せっかくのデビュー戦ですから,みんなに勝ってもらいたいのはヤマヤマです。でも勝負の世界は厳然たるモノ。みんなが勝つことはできません。負けたら,潔く勝者に拍手を送るのです。


...ただ今回表彰台を見上げた人も,長く続けていればいつか必ず表彰台に上がるようになります。それがジムカーナ競技の素晴らしいところです。絶対的な才能よりも,経験や知識,そして「技術」が重要なんです。技術は「努力」によって磨いて行くことが可能ですよね。


ジムカーナを長く楽しんでいる人に聞いてみると,現在はトップレベルの人でも,デビュー戦でいきなり勝った,という人はほとんどいません。「ミスコース×2回で終わっちゃった」とか「ダントツのビリで悔しい思いをした」とか,そういうデビュー戦の人が多いです。

おとーさんも,公式戦(ジュニア戦)でのデビューはスピンだのコースアウトだの散々でした。まあ最近でも公式戦ではひどい目にあってますが(→例えばコレ) f(^-^;)

負けても,悔しい思いをしても,それでも「走り続ける」こと。これが勝利の必要条件ですね。

というか,今回走ってみれば,きっと楽しくって「続けたい」と思われるはずです。


・・・・・・

さて,今回デビューされる方に,本番まであと10日間をどのように過ごすべきかのアドバイスをいくつか。

っつーか,ちゃんとみんな申し込みしたよね?(笑)

申し込みは明日(9月3日)の「必着」が条件ですが,主催者に直接電話連絡して「ちょっと遅れるから1日だけ待って」とかいうのは...場合によってアリのようです。もちろん断わられるのが当り前ですから期待してはいけませんよ。


これから10日間でサイドターンをマスターするぞ,とかそういうことは思わないよーに(笑)。
練習で「できるかできないか」なんて技は,本番では絶対に決まりません。

サイドターンなんて最初から考えず,とにかくパイロンを小さく回って素早く立ち上がることを考えるべきです。くれぐれもお山にこもって秘密練習...なんてやらないように。事故ったらジムカーナどころではなくなってしまいます。


ではパイロンを小さく回って素早く立ち上がるためにはどんな練習をしたら良いか?


それは「ロック・トゥ・ロック」です。


そう,ひたすらハンドルをぐるぐる回すのです。

おとーさんは今でも左右の腕に1.5kgずつオモリをつけて毎日やってます(アホです)。
前は2kgでやってましたが,さすがに手首と肘を痛めるので1.5kgにしました(大アホです)。

ハンドルを回すのが早くなって困ることは何もありません。むしろ良いことだらけです。ターン前半の旋回半径も小さくなりますし,立ち上がりのステア戻しも早くなります。リアが出てもカウンターが間に合いますし,ミスってタコってもリカバリーできます。
ええ,車庫入れも早くなりますよ(カンケーねえ)。

初心者の方が10日間で確実にできるのは,これ。ロック・トゥ・ロックです。
がんばってグルグル回しましょう。


もう一つ,確実に練習できることが,コースの風景を頭にしっかり入れることです。
そう,イメージトレーニングの練習です。

おとーさんは,初めて走る or 久しぶりに走るコースの場合,競技前数日間,コースの風景を頭で思い浮かべられるように練習します。具体的にどうするかというと,ネット上を探しまくってそのコースの走行動画や車載動画をダウンロードさせていただき,PCの画面いっぱいにして何度も何度も繰り返し再生し,走ってるクルマではなくコースやコース周囲の風景を目に焼き付けるようにします。

次に,「自分の頭の中で」そのコースにパイロンをいくつか置き,簡単なコースを設定して,「自分の頭の中で」そのコースを自分のクルマで走ってみるわけです。走ってる時の視覚映像を頭の中に想像しながら。

コースのこのへんでこっち向くとこういう風景になって,このへんのコーナーを立ち上がるとこういう光景が目に入るはず...そういう風に,いわゆる「イメージトレーニング」をするわけです。


今回の姫路戦はフルパイロンコースです。特にミスコースしやすい競技会です。本番2本ともミスコースしてしまうと,順位は当然ビリ,しかも完走扱いにならずライセンスの申請資格がもらえません。まあライセンスは他の方法でも簡単にとれますが,できれば「ダブルミスコース」は避けたいですよね。そのためにはこのイメトレが重要です。

もう一度,姫センの走行動画をアップしておきます。これを見てしっかりコース周囲の風景を目に,頭に,焼き付けておいて下さい。ミスコースのリスクは少しでも減少するはずです。

あ,走りの方は全く参考になりませんからクルマは無視すること〜(笑)。




あんまりイメトレを熱心にやり過ぎますと,頭が痛くなってきます(笑)。
そういう時は,まあ,ほどほどにしておきましょう。


・・・・・・

さあ,いずれにせよ本番までもう10日間。

クルマのチェックの方も怠りなく,ですよ。

タイヤの残り溝,ブレーキパッドの残量,車高の下げ過ぎがないかどうか(最低地上高9cmが必要です),エンジンオイルの量...チェックすべき項目は「大人のためのジムカーナ入門」の「クルマの準備」の項目を参照にして下さい。


では,当日みなさんにお会いできることを楽しみにしています!


前のDiaryへ前のDiary | PAGE TOPへPAGE TOP | 次のDiaryへ次のDiary