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中年の星?〜2009年ミドル第6戦〜


今思えばやはり2年間ジムカーナ公式戦から離れていたブランクは大きかった。

2年ぶりに公式戦に復帰した今年度開幕戦@鈴鹿南では,全くいいところなく1本目はPT,2本目ドラシャ破損でリタイヤ,結果は最下位。4月の第2戦も,コースを普通に走るので精一杯,1本目で何とか3位に入るも2本目で4位に転落。

昨年一度G6に出て表彰台には乗っているものの,公式戦には独特の雰囲気,独特のプレッシャーがあり,3月4月は結局この雰囲気に呑まれて,自分本来の走りができないままに沈んでしまったように感じます。


それでも走るうちに公式戦の雰囲気を思い出し,1ヵ月半ほど間が開いて(第3戦は娘の参観日でパス)参戦した第4戦@鈴鹿南では,中部から遠征して下さったS1500クラス生え抜きの猛者たちに混じって戦い,近畿勢トップとなる3位をゲット。やっと表彰台の隅っこに乗ることができました。

先月の第5戦@名阪Eコースはコンクリ壁の近い怖いコースながら恐怖心に打ち勝ち,1本目で1位,2本目とスーパーラップ(3本目)では攻めすぎて(?)タイムダウンするも何とか3位に残り,表彰台の一角を死守しました。

このへんでやっと往年のあのしぶとさ,人をして「管理職走り」とか「中年走り」とか呼ばしめた(笑),1本目か2本目かどっちかはそれなりのタイムを出して,気がついたら表彰式ではたいていちゃっかり前に出ている...という自分の走りの良さ(良いんか?)を取り戻してきたように感じます。

ということで,

「7位(出走7台)→4位(出走7台)→3位(出走11台)→3位(出走10台)」と,何となく上り調子の中で今回のシリーズ第6戦を迎えることになりましたが...さあ,今回の結果はいかに?


・・・・・・

しかし今年の夏は本当にお天気がヘン。

もう梅雨明けしたというのに週末のお天気予報はめまぐるしく変わり,しかも前日の予報では「終日曇り」で落ち着いたはずなのに,当日は朝から雨...しかもただの雨ではなく「土砂降りの雨」という,いったい誰の日ごろの行いが悪いのかエントラント一人一人に問い質したくなるようなお天気になりました。

名阪Cコースのパドックに,所狭しとテントの花が咲き乱れます。

どこを見てもテントだらけ(笑)


ここ名阪Cコースは,近畿ジムカーナ界では最も大会開催数の多いメイン会場ですが,前回のEコースに負けず劣らずコースとコンクリ壁が近いでんぢゃらすなコース。しかも雨の時のグリップの低さといったら,有名な浅間台と並んで「スケートリンク」と呼ばれているほど。

怖いです。おとーさん,めっちゃ怖いです (((;゚Д゚)))

しかも,本日のコース!
↓↓

※画像をクリックすると大きい画像を表示します(画像はJMRCさんのサイトからいただきました)


外周をフルに使った,めっちゃハイスピードコースなんですが!!

コース中盤にある中央ショートカットの飛び込み部分は,もろコンクリ壁に向かって,めっちゃ突っ込んで行くんですが!!

しかも,めっちゃ雨降ってるんですが!!!

...もう泣きそうです (;´д⊂)


びしょびしょになりながら慣熟歩行を終え,簡単なブリーフィングが済んだらもうすぐに出走。そう,今回はゼッケン「7番」なんで,他のクラスの走りを参考にすることもできません。


あれこれ悩んだり迷ったりするヒマもなく出走順になります。とりあえず雨の時の鉄則,「タイヤをしっかり縦に使う」ことを意識して走り出します。

しかしさすがにドライ用の195幅16インチ3部山のRE01Rは,このウェットでは「全く」食いつきません。コーナーの突っ込みでずささーっ,立ち上がりでもずささーっ,アンタ何やってんの?という感じのひどい走りです。

っつーか,ちゃんと雨用のタイヤ用意しとけよ!(←実は持ってない)

結局,いくつかのコーナーで特大の安打〜を放ち,トップのM君デミオから前半2秒,後半2秒,全部で4秒も差をつけられる有様。順位なんて覚えてねーよ!


お,俺ってこんなに遅いんだ...といささか凹みますが,この雨,このコース,このタイヤじゃ怖くって踏めません。ま,しゃあない。2本目はもうちょっとがんばろう。とあっさり諦めて他のクラスの走りを観戦します。願わくばこれ以上路面状況が悪くならんことを...


・・・・・・

その後,雨は徐々に小降りになり,お昼前にはいったん止みました。重く垂れ込めた雲も薄くなり,空がちょっと明るくなります。おとーさんの気分もだいぶ明るくなって,お昼休みの慣熟歩行に出ます。傘はもう要りません。

路面も少しずつ乾きだし,このまま行けばハーフウェットの状態で2本目を走れそうです。


※お昼の慣熟歩行中。一応雨は止み,みんな傘をたたんでます。


ただ,クルマのセッティングは非常に悩ましいところ。

ハーフウェットとはいえ,コースはいわゆる「ラインドライ」の状態。少しラインを外すと路面はべったり濡れてます。また,ライン上にも水溜りや水が流れてるところが数ヶ所あります。

タイム重視のドライセッティングで行くか...
コントロール性重視のウェットセッティングで行くか...

ここは悩みに悩んだ末,リアはウェットのまま,フロントはドライセッティングから少しだけショックの減衰を落とした状態で臨みます。これまで試したことのない組み合わせのセッティングですが,たぶん問題なく走れるはず...っていうか,これぐらい問題なく走れよ!>自分


まだ時おり雨がポツリポツリと落ちてきますが,コースは何とかハーフウェットの状態を保ったままで2本目のスタートラインにつきます。

さあ,ここがガンバリどころ。

コースはまだハーフウェット。怖い...たしかに怖い。
でも,前回のEコースでコンクリ壁への恐怖心は克服したはずだろ。
「とりあえず安全に無難に走って」とかヌルイこと言ってんと,しっかり踏めよ!


無理やり自分に気合を入れ,スタート!


ん? これは...結構グリップするぞ。

縦にも横にもフロントがしっかり食いついてくれてるのを感じます。3部山のRE01Rですが,路面から水が捌ければしっかりお仕事をしてくれます。こういう地味だけどしっかりお仕事をしてくれるタイヤは好きです(笑)。

しかもウェットセッティングのままのリアが気持ちよく動いてくれる。

エア圧は1.8kまで落としてますし,ショックの減衰も「ふにゃふにゃ」のはずですが,ズルズルし過ぎず,踏ん張ってくれるところではそれなりに踏ん張ってくれるために,フロントタイヤの地味なお仕事がしっかり生きてきます。

ドライバーとしては,タイヤやクルマがしっかりがんばってくれてるので,こいつらの邪魔をしないように,大きなミスだけはしないように,真面目に,堅実に走ります。


...走り終わって窓を開けるとファンファーレが鳴ってます。この時点でトップタイムです。
1本目からは7秒もタイムアップ(路面が違うので当然だが)。

しかしこの後,フィットのKさんと常勝M君デミオにかわされて2本目は3位で終了。しかし1位のM君デミオからは2秒も離され,中間タイムでも明らかに曲調さんデミオやとのちゃんコルトに負けているため,ホント薄氷の3位です(汗)。

しかし3位は3位。とりあえずスーパーラップ(3本目)進出権を辛くも掴み取りました。


・・・・・・

正直なところ,この時点で,

「お前はよくがんばった。このややこしい路面で,この恐ろしいハイスピードコースで3位なら上出来じゃ。褒めて進ぜよう」

そういう心境でした(笑)。自分の中ではすでに3位確定してる。でもそれでOK。
ふふ,自分に甘いな。共通一次1000点満点世代だけどな(意味不明)。


しかし路面がもうちょっと乾いてくれるならば,もうちょっと安心して踏める状態であれば,このハイスピードコースを人より速く走れる自信は...あります。

かつて,このCコースの外周の踏みっぷりだけは,みんなに「見ていて怖い」と言わせしめた過去があります。真ん中のショートカット部分なんかスロットル戻さずにもっと突っ込んで行けるはず。本当に自分の調子が2年前の元の調子に戻ってきているならば,1位は無理としても(笑),0.03秒差の2位は逆転できる...はず。


幸い,雨は本降りにはならず,時おりパラつく程度で止まってくれてます。
路面はさらに乾き,スタンドから見ていてもほとんどドライになってます。

フロントは迷わず完全ドライセッティングに,リアは2本目で非常に感触の良かったウェットセッティングのままにします。定石からは外れてますが,自分の感覚を信じよう。

ももさんに撮ってもらった2本目のビデオでトップの常勝M君デミオとの差をよく見比べて対策を考えます。細かいコーナーの立ち上がりでも負けてるし,やはり踏めるところで踏み切れてない。恐怖心に負けずちゃんと自分本来の走りをすれば,タイムは1秒以上縮むはず。

順位はもう3位でもOK。でももっと真面目に,自分本来の走りをしよう。踏めるところでしっかり踏もう。自分にできることをちゃんとやろう。

...そう思ってスーパーラップのスタートラインにつきました。
また雨がポツリポツリ降ってきます。しかしもう今さらどうにもできない。ワイパーでフロントの雨滴を払い,運を天に任せて走り出します。



↑大逆転,スーパーラップ(3本目)の走り
撮影:まさきちさん Special thanks!


一生懸命,自分の走りをしました。
外周の速度が乗る怖い部分も,踏んで踏んで行きました。
真ん中のショートカットの部分も,スロットルを抜かず左足のチョンブレだけで抜けました。
苦手な小さいコーナーも,なるべくクイックに回って,スムースに立ち上がるようにしました。

よし。とりあえず一生懸命走った。今,自分のできることはやった。これでOK。


走り終わった瞬間,アナウンサーのIさんが何か叫んでるのが聞えます。

慌てて開けた窓から「ベストタイムを更新〜!」っていう声が聞えました。

え? 勝った?
勝ったの?
マジ?

知ってる顔,知ってる顔,みんなが拍手してくれてます。オフィシャルの人も拍手してくれてます。みんなにガッツポーズを返しながらパドックに帰ります。ちょっとした凱旋気分です。

100点満点の走りではありません。もっと踏めるところはあったし,もっと丁寧に行くべきところもありました。でも結果は2本目から2.5秒もタイムアップし,大逆転でトップに立ちました。終わってみれば,3位Kさんフィットに2秒差,2位のM君デミオに1.4秒の差をつける快走でした。


実に久しぶり...2年半ぶりの表彰台のてっぺんです。

やっとここに帰ってきました。

クルマを降りてデミ助の可愛らしい雄姿を見ていると不惑インテ号の姿とかぶってきます。あれから2年半,いろいろと遠回りして,ずいぶんと苦しんできたけど,やっとやっと帰ってきたよ。不惑インテ号の仇を取ってやったよ。

...もうこうなるとダメです。鼻の奥がつーんとしてきて,涙が出てきてしまって...っつーか泣けて泣けて,涙が止まりません(カッコ悪ぅ)。

恥ずかしいからもう一度デミ助の運転席にもぐり込みますが,よく考えてみればそのシートも目の前のステアリングも不惑インテ号の時からの愛用品。またしても涙がこみ上げてきます。こうなるともう何で自分が泣いてるのかもよく分かりません。嬉しいんだか,悲しいんだか,表現のできない感情に突き動かされ,ひとしきり大泣きしてしまいました。きっと周囲の人はみなドン引きだったことでしょう(笑)。

っつーか,人が泣いてる横で「泣いてる」「泣いてる」言うなお前らー!
恥ずかしいやんけー!(笑)


・・・・・・

表彰式では今回の大会の審査委員長でJMRC部会長のN山さんにがっちり握手をしてもらい,

「よぉ,中年の星! がんばれよ!」

と言っていただきました。ありがとうございます!

この年齢になっても走り続けていて本当に良かったです。まだまだ未熟者ですが焦らず気長に「楽しんで」走り続けます。本当に「中年の星」に相応しい走りができるように。

その後,ファインアートのクラブのみんなやS1500仲間のみんなから,バケツで氷水をぶっかけられ手荒い祝福を受けました。みんなサイコーだぜ!サイコーに楽しいぜベイベー! っつーか,サイコーに冷たいぜベイベー! 寒いやんけベイベー!


※BS帽子はM田さんに貸していただきました。ありがとうございました。


表彰式が終わった後,来期の近畿のジムカーナ公式戦に関する重要発表があり,近畿では来年のシリーズから地区戦でもS1500クラスが「N1.5クラス」という名称で新設されることになりました。「Nクラス」の中に位置づけられていますが,タイヤはラジアル限定,エアコン外しその他ヘビーな改造は禁止など,現在のS1500規定がそのまま採用されています。

ミドル戦ではもちろん引き続きS1500クラスが設けられます。また来年からミドル戦では中部・東海地区にならって年式制限が緩められる予定で,7年ギリギリの車両もあと数年は走れることになりそうです(まだこの件に関して公式には未発表ですが)。本当に良かった。

※来期のクラス区分やS1500についてはまた後日,別にdiaryを書く予定です。お楽しみに。



また今年11月のJAFカップ(オールスター戦)でJAF公式クラスではないもののS1500クラスが併催されることになってますが,近畿ミドルS1500からも積極的に選手を送り出したいとのことでした。シリーズ順位はイマイチですが,今回優勝したことで,おとーさんもエントリーすれば出場できる「かも」しれなくなってきました...わくわくするな。オールスターだなんて。


月曜になれば職場では中間管理職,加齢臭の気になるしがない中年のオッサンですが,「好き」の一途で一生懸命走り続ければ,こんなサイコーの日曜日を持てる...そんなジムカーナという自動車競技がますます好きになりました。

ジムカーナの女神様,本当にありがとうございます...


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