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帰    還  〜2009年ミドル第2戦〜





快晴の日曜日。
まるで初夏のような陽射しの中,雲雀がピーチクさえずり,鶯はホーホケキョ。
天理から西名阪道をしばし走って山の中に入った,ここは奈良県山添村。


2年前の4月,最後にここを走ってから,ほんとーーーにいろいろなことがありました...


...不惑インテ号のクラッシュ...涙のお別れ...辛い浪人生活。
...新型デミオに惚れ込み,嫁さんに頭を下げまくって,誓約書まで書いてデミ助を購入。
...嫁さんとケンカして意地で出場した昨年5月のデビュー戦@G6。
...この3月,やっと公式戦に復帰したと思ったらよもやのドラシャ破損,最下位の開幕戦。


そして,今日,おとーさんはここ名阪スポーツランドCコースに帰ってきました。

やっと帰ってきました。


感無量,ってこういうことを言うんでしょうね。
いやー,一時はもう二度とここには戻って来れないかと思いましたから。朝一番,まだガラガラのパドックで荷物を下ろして準備をしていると,いろいろな想いが胸をよぎります。



(画像をクリックすると大きい画像を表示します)


発表されたコースは,前半はフリーターンを含むテクニカルセクション,後半は外周イケイケのハイスピードセクションに,ゴール前270度ターンがあるという,ミドル戦には珍しく走り応えのあるとても楽しそうなコース。


しかし慣熟歩行で実際にコースを歩いてみると,まるまる2年ここを走ったことがないという事実をひしひしと思い知らされます。ここのコーナーのブレーキングポイントはどのへんだっけ?...ここのラインはインベタの方が速かったっけ?...ここの縁石は真っ直ぐ乗ってもトラクション大丈夫?...そういう大事なこと,何にも覚えてません。

ここは1速に落とすのかな,ここは2速のままの方が速いのかな...そういう判断も,判断材料がないのでサッパリ分からない。

しかも今回おとーさんはゼッケン9番。出走順がこんなに早いことは初めてです。ブリーフィングが終わったらすぐにクルマに乗って出走準備に入らないといけません。他の人の走りを見ながらゆっくりコース攻略を考えて,なんてことはできません。いわゆるブッツケ本番です。


おとーさんの戸惑いをよそに,コースクローズ,ブリーフィング,全日本選手によるデモラン...慌しくスケジュールは進行し,すぐにおとーさんの1本目の順番が回ってきます。

ええい,もう,こうなったら今の自分の力だけで走らないとしゃあない!
ま,とりあえずまたビリにだけはならないようにしよう(笑)。


・・・・・・

スタートはホイールスピンを抑えておとなしくスルスルっと走り出します。

イトウ工業コーナー(1コーナー)の一つ手前で右に折れ,島の方に入って行きます。ここは大きくアウトから入る人が多い中,おとーさんは真っ直ぐインに入って1速で小さく回りました。

というのも,この後が少し上り勾配になっているので,2速でだらっと回ると失速しそうな気がしたのと,前回の鈴鹿南のようにリアがいきなりすっ飛ばないか不安だったので。しかし今回リアは終始安定していて,むしろ「もっと流れてくれよ」という感じでした。


後でフリーターンをすることになる広場と島を真っ直ぐ通り抜け,いったん外周に出て右に曲がり,オニギリの手前を右に入って,またイトウ工業方面に走ります。ここも外周のアウトいっぱいまで出ている人が多い中,おとーさんはかなりコンパクトに走ってます。でもそれでいいのかどうか考える余裕もありません。

イトウ工業コーナーの島を左回りにぐるっと回ってからオニギリの頂点に戻り,今度はオニギリをぐるっと回って,再びイトウ工業方面に向かいます。この辺は,自分ではかなり攻めてるつもりだったのですが,後でビデオを見ると結構ヌルいですね。


さてお次は今回のコースの目玉,イトウ工業手前の広場でフリーターン。

おとーさんはどちらかというと左ターンの方が得意ですし,回った後の立ち上がりがまたオニギリの頂点方向になるので,ここは迷わず左ターンを選択。右側のパイロンに寄って,グリンとサイドターンして...うーん,ちょっと回転が浅いけど,回り過ぎた方がタイムロスが大きいので無理にサイドを引き足さず,180度中,最後の60度ぐらいはグリップで立ち上がります。

後でビデオで見ると,決してうまいターンではありませんが,それほどタイムロスしてません。


その後,もう一度オニギリをぐるっと回ってもう一度イトウ工業コーナーに向かい,今度は右に回って外周に立ち上がります。ここからは外周イケイケ踏め踏めセクション(笑)。

かつて不惑インテ号に乗ってた頃,おとーさんはこの外周の高速セクションだけは結構速く,その踏みっぷりは周囲の人をして「見てると怖い」と言わせしめたモンです(笑)。しかし不惑インテ号をクラッシュで失い,今回がデミ助で始めての名阪Cコース,しかもここを走るのは正真正銘2年ぶり,となると,さすがのおとーさんもそんなにガンガン踏んではいけませんよ。


外周をヌルく無難に走り,最終コーナーで270度の右ターン。

ここまでいくら一生懸命コンマ単位でタイムを削ってきても,ここでミスると平気で秒単位のタイムを吐き出すことになる。ここの赤パイロンは,最後の最後に勝負を決する「閻魔大王」のような存在。ここのターンは「閻魔ターン」と名付けましょう(笑)。
可愛く「閻魔たん」じゃないよ(笑)。

そしてまたここに右ターンが苦手な中年オヤジがふらふら〜っと走ってきて,ラバーのべったり乗った非常にターンのしにくい路面で,閻魔ターンを試みるわけです。

...ブレーキングしながら入ってきて,ステアをぐいっと切って,ブレーキを踏み足しながらサイドをがっと引く! 真っ直ぐ走ってきたベクトルがぐいっと横向きの力に変わり,グリップを失ったリアがずるっとアウトに流れて,デミ助はクルンと回転する...はずですが...

はずですが...




回りません。


もうお約束ですね(笑)。

ステアを切るのが遅くて前輪の舵角が足らず,十分なヨーを作れなかったため,後輪はどうにかロックしてても,リアが全くアウトに流れてくれず。

よっしゃ,それならアクセル踏んでデフで回り込もう...と試みて前回鈴鹿南でシャフトをぶっ壊しましたよね。1本目でいきなりシャフトを折って地獄直行だけは絶対に避けたい。

万事休す。

グリップでべたべたに回らないとしゃーない(泣)。


ということで結局閻魔大王に「ダメ」の烙印を押されて大幅にタイムロス。地獄行きのホームストレート帰還となったわけです。



・・・・・・

ただ,みなさんこのフリーターンと閻魔ターンにはてこずったようで,おとーさんのこの1本目のタイムは,結果的にはS1500クラス7台中の3位でした。特に前半セクションの区間タイムはフィットのKさんについで2位のタイム。閻魔ターンのミスがなければ全体のタイムでも2位が可能だったはず。

何度も書きますが(笑),2年ぶりに走るコース,このクルマでは初めて走るコース,現役のライバル達に混じってブッツケ本番で3位ならば,まあ上出来でしょう。前回の鈴鹿南は,ライバルと勝負をする「以前」に自分で勝手にコケまくって最後はリタイア...でしたから,今回は一応ライバルに絡んでる分,前回よりはだいぶマシ。これぐらい攻めればこれぐらいの順位になる,という勝負の感覚がやっとちょっと戻って来たカンジ。


ということで若干ホッとしながら午後の2本目を迎えます。

今のところ暫定3位で,このまま3位に残れれば,スーパーラップという1-3位だけの最終順位決定戦で3本目を走ることができます(近畿ミドル独自のルール)。この3本目を走ることができれば,最終順位はどうあれ,今日は大成功という感じです。

1-2位に逆転する,というよりも3位を死守,そういう弱気な発想で(笑)慣熟歩行を繰り返します。路面温度は上がってますが,タイムはまだまだアップしそうです。2本目,しっかりタイムを上げないと4位の曲調さんに逆転されてしまいます。

1本目で最大のミスは閻魔ターン。何とかこの閻魔ターンを成功させるため,サイドレバーを少し詰めたり,左リアのドラムを開けてシューを詰めたり,リアのエア圧をパンパンに上げたり,あれこれ悪あがきします。あ,因みに今回も海老(ABS)は切ってますが,EBDはONのままです。


 左リアのブレーキドラムを開けて何やら悪あがき中(笑)


なんてことをやってる間に2本目の出走が迫ります。
緊張はありません。1本目ターンを大失敗して3位ですから,ターンをミスらなければタイムは上がるはず。タイムが落ちなければ,たいてい3位には残れるでしょう...

しかし得てしてこういう守りの気持ちに入った時に2本目タイムダウンという結果が出るもの。

ホイールスピンは少ない目でおとなしく走り出し,最初のコーナーもリアがすっ飛ぶことなく無難にクリア。しかしその後も全部無難に走ってしまって,自分では攻めてるつもりがちっとも攻めてない。非常にヌルい走りになってる。

フリーターン,無難に決めるも,立ち上がりで一瞬もたつきタイムロス。
オニギリ回りの部分も積極的に車体の向きを変えられてないので,立ち上がりのストレート部分に舵が残ってて車速が伸びない。

なんと前半部分だけで0.5秒のタイムダウン。しかも自分ではタイムアップしてるつもり。


そして外周部分も1本目以上に踏めてない。他のライバル達が必死で踏んでるところをぬるーく走ってる。しかも自分では踏んでるつもり。

最後の閻魔ターン。
しかしこんなぬるい走りをしてるヤツに閻魔さまがいい顔するわけがない。

1本目よりも高い車速で進入,ステアは思いっきり回してサイドレバーも思いっきりガツっと引きます。とりあえずリアはずさーっと回ってくれますが,角度にすると90度も回ったか回ってないかのところでピタッとスライドが止ってしまいます。結局1本目とあまり変わらず,残りをのろのろグリップで走ることに。閻魔さまごめんなさーい(泣)。


自分では最後の閻魔ターン以外はちゃんと走ったつもりでしたが,結局コース全体で何と0.8秒もタイムダウン! 走り終わった時点では暫定3位のままでしたので,一応,再車検場に呼ばれましたが,その後,1本目4位だった曲調さんに思いっきりぶち抜かれ入れ替わりで4位に転落。自分のパドックにおかえり〜となりました。まあ,当然です。


 精一杯走ったんですけどね...



・・・・・・

パドックに戻ってから,実は大きくタイムダウンしてたことを知らされ愕然とします。
ももさんは「2本目の方がリズムは良かったと思うよ」と言ってくれましたが,たぶんヌルく走った分,それだけ余裕が残ってたってことじゃないか。

やはり勝負の世界は厳しい。
3位を死守すれば...なんて考えてた時点でもう4位転落は既定のコースだったんでしょうね。「勝ちたい」という欲が出過ぎてもダメだし,守りに入ってしまってもダメ。

でも今回,直接勝負して負けた相手がお友達の曲調さんで良かった。
最後のスーパーラップは素直な気持ちで力いっぱい彼の応援をできました。
がんばれ〜! 美人のお嬢さんも観てるぞ〜!


その他にも今回は,同じクラスのライバルの方といろいろ有意義なお話をできました。
今回も1位でシリーズトップを独走中のMさんや,フィット乗りKさん,デュエット乗りのKさんともいろいろお話させてもらいました。


最終タイムでは3位の曲調さんに大差をつけられてしまいましたが,前回の鈴鹿よりはまだ勝負に絡むことができました。公式戦実戦の勝負勘も少しずつ戻って来た感じです。

4位というのは残念な結果ですが,1日をまずまず落ち着いて走ることができ,前回のように浮き足だってドタバタしてるうちにリタイヤ・終了なんてことにはならなくなりました。ちょっと地に足がつくようになってきたかな。


帰って来たぞ。

やっとここに帰って来たぞ。

俺はここにいるんだぞ。

名阪スポーツランドCコースに。ジムカーナ公式戦の場に。


なかなか表彰式で前に出る(S1500は3位まで表彰)ことができませんが,ジムカーナ公式戦の場,ガチンコのタイム争いの場の中に,もう一度自分がいるということの喜びをかみしめながら,お立ち台の上のライバルに精一杯拍手を送りました。


今回は競技活動を休止中のお友達が何人か見学に来られていました。
かつてN2クラスで一緒に表彰台に乗ったシビックのS脇さんや180さん,41すぺっく(41だよね?)さん,本当に懐かしいお友達と旧交を温めることができました。
みんなも帰っておいでよ!



 僕はここにいる〜♪


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