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インテグラとの再会


おとーさんはもともと峠の走り屋でした。

初代インテグラに乗って,近所の峠の下りを専門に攻めていました。


もとが100PSそこそこの非力な車に足回りを固めただけのライトチューンでしたから,上りじゃ全く勝負になりませんでしたが,下りならフルチューンの改造車にでもそう簡単にチギられない自信がありました。


しかしいくら公道で自分の能力や車の能力の100%を引き出そうとしても,そこにあるのは自己満足と大きな危険,それだけです。いくら速くても,せいぜい仲間内で褒めてもらえるぐらいで,トロフィーがもらえるわけでも賞品がもらえるわけでもありません。しかも,もし100%を大きく越えてしまえば即,事故につながるわけですから,大変な困ったちゃんでもあるわけです。


ええ,そうです。私もやりました...結構大きな事故でした。
手塩にかけて育ててきた愛車はグチャグチャになり,自分の身も心もズタズタに。


もう二度と公道で100%を追求するまい,と固く決心したおとーさんが向かったのがレース。


レースと言っても,普段の車と別に競技専用車を用意できるような経済的余裕もスポンサーのあてもありません。その点,自分の愛車でそのまま競技に出られるジムカーナは好都合でした。また,もともと狭い峠道を一匹狼的に走り込んでいた人間にとって,狭いコースで小技を使ってタイムを削る競技はうってつけでした。


しかし愛車インテグラを失ってしまった今,競技を始めるにあたっては新しくクルマを購入して一からクルマを作って行く必要があります。さあ,どんなクルマで競技に出るのか。


当時ジムカーナで活躍していた車は,A1クラスならシティ,A2クラスはCR-X,A3クラスはMR2(形式:SW20)でした。

シティやCR-Xにも大いに興味はありましたが,もともとMR2のような「乗り手を選ぶ」スポーツカーにいつかは乗ってみたい,乗りこなしてみたいという気持ちがあったため,MR2を競技車として選びました。


しかしながら,ここで大きな誤算が。

MR2という車は,車両本体もシティやCR-Xより高いわけですが,維持費やタイヤ代が異様に高くつく車でした(泣)。ミッドシップのため後輪にものすごくトラクションがかかるのですが,その分ものすごくタイヤも減るわけで。ヘタすりゃ1-2回の練習でワイヤーが出てしまいますし,しかも後輪だけ225-50/15というヘンなサイズのため量販店での安売りもなく,前輪とローテすることもできず(大泣)。

またミッドシップレイアウトが災いして,何をするにも工賃が高い高い。ミッションをいじるにもいちいちエンジンを吊らなくてはならないため,LSDやミッションのOHするのも金銭的に大変。

クルマ本体のローンを払いながら,改造も進めながら,そしてタイヤ代と維持費を払いながら競技に参加するのは,正直「無茶」でした。


それでもまあ独身のうちは食費や飲み代を削ったりすれば無茶なこともできるわけですが,さすがに結婚が決まった瞬間,競技への参加はあきらめざるを得ませんでした。やっと車の改造が仕上がり,他の競技車と互角に戦えるようになったところなのに...ツライ。

でも自分で結婚を決めた以上仕方ないし...いや,そこのキミ,別にできちゃった婚じゃないぞ(笑)。


こうしておとーさんの競技参加はわずか1シーズンで終わりました。


しかし...こ,こんな情けない成績のままで終わるのか?(→情けない成績


...それから10年。人生の中でいろいろな出来事が起こり,いろいろな車にも乗りました。

ファミリーカーにスポーツワゴン,左ハンドル・右側通行の国に住んでいた時期もありました。たまに峠を走ることはあっても,さすがにもう100%を追求するなんてアホーなことはできません。事故って身体や命に別状があったら,家族が路頭に迷います。

しかしいつも心の底には「あんな成績のままでは終われない」「もう一度全力で走りたい」「自分と車の能力の本当の100%を追求したい」そういう想いがありました。


2004年の夏,たまたまガレージが2台分ある家に引っ越すことになり,我家に2台目の車を買うことになった瞬間,その想いをもう抑えることができなくなりました。


チャンス キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!!

家族用の自家用車とは別におとーさんの趣味の車を買うのだ!

もう一度走りの世界に戻るのだ!


あれこれ情報を集めているうちに耳寄りな情報が...以前MR2をチューン・メンテしてもらっていたショップが中古のインテグラ TypeRを競技仕様に仕立ててショップのコンプリートカーとして格安で販売しているらしい!


そりゃ,もう飛んで行きましたよ。懐かしのショップ"FINEART"まで。遠かったけど(笑)。

ありました。インテグラ TypeR '96スペック。

いや,もちろん,かつて自分が峠で乗ってたインテと全然違うけど...感じました。オイラが戻るのをずっと待っていてくれたような...オイラもお前にもう一度乗る瞬間を待ってたんだよう,みたいな...ええ,間違いなく妄想ですがね(笑)。

ショップの社長の前で叫びました。「買います!これ,買います!


...そうして今日,おとーさんはまたインテグラに乗ることになりました。


もちろん,競技に復帰するまでまだまだ越えなければならないハードルがいっぱい。


消耗パーツ代やタイヤ代はどこから出そう...小遣い安いしなぁ...
エントリー費はどうしよう...練習用タイヤ買ったらもう赤字だ...
そもそも練習はいつしよう...毎日残業だし,土日は家族サービスだし...
というか,いつ競技に出るんだよ...嫁さんは毎週末買い物に行きたがるしなぁ...

でも,おとーさんは走る。絶対に走る。

かつてSWで果せなかった公式戦入賞と表彰台の夢を果すため(結構低い目標だな --笑)。

自分の本当の100%を追及するため。


こんなしょーもないおとーさんですが,この先どうなることやら。

でも,精一杯がんばりますのでどうか応援してやって下さい。



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